

退職した元従業員が退職したのは執行役員からのパワーハラスメントが理由であるとして,弁護士に依頼してY社に対して約600万円の損害賠償を請求する旨の通知をしました。その通知を受けたY社は大栗法律事務所に事件を依頼したことから,元労働者の弁護士と交渉をした結果,請求額を大幅に下回る約50万円で解決できた事例。
1.ハラスメント事例の紹介
建設業を営むY社は,突然,元従業員の代理人弁護士から内容証明を受領しました。その内容は,Y社の執行役員が元従業員に対して,「仕事が遅い」「辞めさせるぞ」などの罵声を浴びせられたことから退職を余儀なくされたことを理由に損害賠償として約600万円を求めるものでした。
Y社は,その対応に苦慮して大栗法律事務所に相談をし,大栗法律事務所が受任することになりました。
そこで,大栗法律事務所において,ヒアリング等の事実関係の調査を行ったこところ,Y社の執行役員には行き過ぎた言動がみられたものの,それ以外については元従業員に対する注意や指導のための言動として社会通念上許容されるものもので,元従業員は執行役員の直属の部下になる以前から転職活動をしていた事実が発覚しました。
事実調査に基づき,元従業員との間で任意交渉を重ねた結果,請求額を大幅に下回る約50万円で解決することができました。
2.ハラスメント対応の必要性
近年,いわゆる「パワハラ防止法」が成立し,職場におけるパワーハラスメント防止対策が事業主に義務付けられました。また,パワハラに限らず,セクハラ(セクシャルハラスメント),マタハラ(マタニティハラスメント)など各種ハラスメントは増加傾向にあり,厚労省「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば,労働相談件数は15年」連続で100万円を超え,「いじめ・嫌がらせ」に関する民事上の個別労働紛争の相談件数は年々増加している状況です。
ハラスメント対応を適切に行わなければ職場環境の悪化や重要な人材の流出を招くだけではなく,社内でのハラスメントを理由に労働者が損害を被ることになれば,労災の問題や損害賠償請求を受けるなどの事態にも発展しかねません。
ハラスメント対策には事前予防・事後対策などがありますが,適切に対応していくため,弁護士と相談しながら進めていくことをお勧めします。
企業にとっては、ハラスメント事案の対応を間違えると職場環境の悪化を招くだけでなく、法的紛争に発展して事業主としての責任を問われ、企業の業績、信用にも影響を与える問題となりかねません。
3.ハラスメント通報窓口の設置
まずは,ハラスメントを発生させないため,弁護士などに依頼して社内研修を行い,社員の意識を高めることが重要ですが,万が一,ハラスメント事案が発生した場合,大きな問題に発展しないためには,ハラスメントを隠す(黙認)するのではなく,ハラスメントの被害者や同僚がハラスメントの事実を申告しやくし職場環境を整えることが重要です。ハラスメントの事実を早期に発見し解決することで,大きな問題に発展することを防止できるだけではなく,働きやすい職場環境を維持できるといえます。
近年,ハラスメント防止対策として企業内通報窓口を設置する会社が多くみられます。
もっとも,企業によっては,規模の問題などから企業内にハラスメント窓口のような専門部署を設置することが難しい場合もあります。
また,企業内通報場土口を設置したとしても,社員にとっては,通報することで不利益を受けないか,どのような事案であれば通報できるのか,どのような手続で進むのかがわからず,通報には躊躇してしまうことが多いようです。
4.外部通報窓口の設置
企業内通報窓口の設置が難しい場合や,企業内通報窓口を設置しても実効的な効果が得られない場合には,弁護士に外部通報窓口を依頼することをお勧めします。
外部通報窓口であれば,企業内とは一定の距離があり,通報の秘密がより確保できるなどの安心感から企業内では躊躇してしまうようなハラスメント案件でも通報環境が確保できます。
また,社内研修を行う弁護士が同時に外部通報窓口を担当することで,社内研修を行う際に,外部通報窓口のアナウンスや役割などを説明することができ,社員にとって外部通報窓口が身近に感じていただくことができ,ハラスメント案件の早期解決にも繋がります。
5.再発防止策
大栗法律事務所では,ハラスメント事案の再発防止のために,必要な対応策をアドバイスいたします。
- ハラスメントの事前予防及び再発防止のための社内研修
- ハラスメント防止に向けた就業規則等の整備
- ハラスメントの有無を認定するための調査及び意見書の作成
- 外部通報窓口の設置
- 監督官庁,東証対応のための第三者委員会の設置
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