東京弁護士会所属

※企業労務(使用者・経営者)に関する業務を取り扱っておりますので、従業員の方からのご相談は承っておりません。

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労災対応

退職した元従業員から長時間労働によりうつ病を発症したとして多額の損害賠償請求を受けて弁護士に交渉を依頼し,請求額を大幅に下回る金額で解決できた事例

1.労災対応事例の紹介

 インターネット関連の事業を営むY社は,元従業員より依頼された弁護士から,Y社による安全配慮義務違反により,恒常的な長時間労働の従事した結果うつ病を発症したとして,約8000万円の損害賠償請求する内容の通知が届き,大栗法律事務所に事件を依頼しました。
 事実関係を確認したところ,労働基準監督署により後遺障害が認定されている事案でしたが,労働能力喪失期間については医師に意見書の作成を依頼するなどして,客観的な資料をもとに交渉を重ねた結果,請求額の3分の1程度の支払いで和解が成立しました。

2.労災事故のリスクについて

 労災事故については,「損害賠償を受けているがどのように対応してよいかわからない」「労災事故が発生した場合,まず何をすべきか」「労基署から事情聴取を受けているが,どのような資料を提出すべきか」「労働組合から団体交渉の申入れがあった」など様々です。
 労災事故が発生してしまいますと,上記のような民事上の損害賠償責任が発生するだけではなく,労働衛生法や労働基準法違反などを理由として労働基準監督署より是正勧告を受けたり,事故や違反の程度によっては会社に対して刑事責任を追及される場合があります。また,労働基準関係法令に違反した場合には,厚生労働省及び都道府県労働局のホームページに一定期間掲載されることになっており,企業のイメージダウンにも繋がってしまいます。

3.労災対応について

 労災対応は,初期調査が極めて重要です。
 職場での事故により外傷を負ったなど労災であることが明白ではなく,たとえば,長時間労働やハラスメントなど理由に精神疾患となり労災であることが争われる場合もあります。
 この場合,初期調査の段階で早期に,労働時間の実態,ハラスメントの有無だけではなく,仮に長時間労働やハラスメントの事実があったとしても,精神疾患はプライベート(夫婦関係の不和,家庭内暴力等)によるものではないかなどを調査する必要があります。
 このような調査をしないまま,労働者や関係者に言われるがまま,労働基準監督署に提出する証明書を作成しまったケースがしばしば見受けられますが,後々この証明書の内容を覆すことは困難になります。
 そこで,労災事故の発生自体が疑わしいケースでは,早期に事実関係の確認・ヒアリングなどを行い,会社として労災事故の「証明」を行うかを慎重に検討する必要がありますが,その検討を適切に行うためには,専門的な判断が必要になるため,労災事件に精通している弁護士の関与が必須と考えております。
そのため,労災事故が発生してしまった場合には,弁護士に依頼すべき事案であるかの検討のためにも,早期に弁護士に相談されることをお勧めしています。

4.任意交渉のポイント

 労災事故が発生したケースでは,労働者から会社に損害賠償請求がなされることも珍しくありません。労災事件では損害賠償の額が高額となりため,弁護士に依頼するケースが多くみられます。
 そして,任意交渉においては,①そもそも労災であるか(会社に責任があるか),②請求内容に減額する要素があるか(過大な項目が含まれていないか,労働者側にも過失があるか)労働者側の過失はどの程度あるかなどを事前に検討しておく必要がありますが,過去の裁判例や同種事例での解決事例を踏まえなければ,労働者の主張を覆せるほどの検討結果を導くことができないことから,少なくとも賠償交渉の段階では,弁護士の関与が必要になるでしょう。

5.弁護士からのアドバイス

 大栗法律事務所では,初動対応から任意交渉,裁判まで,会社側の立場から,労災事件を多く取り扱っております。
 具体的には,以下のようなサポートを行うことが可能です。

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