
団体交渉でやってはいけないこととは?やってはいけない10の事項を企業側弁護士がわかりやすく解説!
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業績不振で頭を悩ませる経営者の方、人事労務担当者の方必見です。社員のパフォーマンス不足、いわゆる「ローパフォーマー」問題への対応は、企業にとって大きな課題です。対応を誤ると、不当解雇のリスクや企業イメージの低下につながる可能性も。この記事では、企業側弁護士の視点から、ローパフォーマーの定義や具体的な事例、そして企業が取るべき対応策をステップごとに詳しく解説します。事実確認の方法、面談での注意点、配置転換の可能性、そして最終手段としての解雇まで、法的リスクを最小限に抑えながら適切に対処するためのノウハウを網羅的にご紹介します。また、ハラスメントや残業代請求といった、企業が直面しやすい他の人事労務問題への対応についても触れています。適切な対応で、企業の健全な成長を守りましょう。
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ローパフォーマーとは、企業において期待されるパフォーマンスを発揮できない従業員のことを指します。単に「仕事ができない」という漠然とした表現ではなく、一定期間にわたり、客観的な基準に基づいて低い業績評価が継続している状態を指すことが一般的です。能力不足だけでなく、モチベーションの低下や職場環境への適応困難など、様々な要因が背景に考えられます。重要なのは、単なる能力の欠如ではなく、企業が設定した目標や期待水準との乖離を評価軸とする点です。具体的な判断基準や事例については後述しますが、曖昧な定義のまま対応を進めると、不当解雇のリスクが高まるため注意が必要です。
ローパフォーマーの判断は、客観的な人事評価制度に基づいて行われるべきです。売上高や生産性といった定量的な指標だけでなく、行動評価やコンピテンシー評価など、多角的な評価を取り入れることが重要です。具体的な判断基準としては、以下のような項目が挙げられます。
評価項目 |
具体的な内容 |
目標達成度 |
設定された目標に対する達成度合い。数値目標だけでなく、行動目標の達成度も含まれる。 |
業務遂行能力 |
業務を適切かつ効率的に遂行するためのスキルや知識のレベル。 |
勤務態度 |
勤務時間や報告連絡相談の遵守、協調性など。 |
コンピテンシー |
職務遂行に必要な行動特性。例えば、コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップなど。 |
これらの基準を基に、相対評価ではなく絶対評価で判断することが重要です。同僚との比較ではなく、企業が設定した基準を満たしているかどうかを評価することで、公平性を担保することができます。また、評価期間や評価者についても明確なルールを設ける必要があります。評価結果については、本人へのフィードバックを行い、改善に向けた指導を行うことが求められます。
以下は、ローパフォーマーに該当する具体的な事例です。これらの事例はあくまでも参考であり、個々の状況に応じて判断する必要があります。
事例 |
説明 |
営業成績が著しく低い |
同僚と比較して著しく低い営業成績が継続している場合。目標達成度が低いだけでなく、営業活動への取り組み姿勢も評価対象となる。 |
頻繁なミスや遅刻が多い |
業務上のミスが頻発したり、遅刻や早退が多いなど、勤務態度に問題がある場合。 |
指示に従わない、協調性がない |
上司の指示に従わなかったり、同僚との協調性がなく、チームワークを阻害している場合。 |
自己学習意欲が低い |
新しい知識やスキルの習得に意欲がなく、業務に必要な能力向上に努力が見られない場合。 |
これらの事例以外にも、企業の業績や職種、役割によって様々なケースが考えられます。
企業にとって、ローパフォーマーへの対応は頭を悩ませる問題です。生産性向上や職場環境維持のためにも、適切な対応が求められます。本項では、人事労務に強い弁護士の視点から、ローパフォーマーへの対応ステップと法的ポイントを解説します。
ローパフォーマーへの対応は、慎重かつ段階的に進める必要があります。安易な解雇は、不当解雇として訴訟に発展するリスクも孕んでいます。以下のステップを踏むことで、リスクを最小限に抑え、適切な対応を実現できます。
まずは、ローパフォーマンスが事実であるかを確認します。客観的な人事評価制度に基づいた評価結果、同僚からの意見、顧客からのクレームなどを収集し、記録に残しましょう。具体的な数字や事例を記録することは、後の対応において重要な証拠となります。日報や業務報告書、人事評価シートなどを活用し、パフォーマンスの低さを裏付ける具体的なデータを蓄積することが重要です。
事実確認後、本人との面談を実施します。面談では、ローパフォーマンスの事実を伝え、その原因や背景を丁寧にヒアリングします。本人の言い分を聞き、真摯に向き合う姿勢を示すことが大切です。同時に、会社側が期待するパフォーマンスレベルを明確に伝え、改善に向けた具体的な目標を設定します。目標設定シートを作成し、定期的な面談で進捗状況を確認することで、改善を促します。面談内容は記録として残し、後日のトラブル防止に備えましょう。
改善指導を行ってもパフォーマンスが向上しない場合、配置転換を検討します。本人の適性や能力を考慮し、より活躍できる可能性のある部署や職種への異動を検討します。配置転換は、本人のキャリア開発にも繋がる可能性があり、企業にとっても新たな人材育成の機会となる場合があります。ただし、配置転換が懲罰的な意味合いを持つものであってはならない点に注意が必要です。あくまで、本人の能力発揮と企業の生産性向上を目的としたものであるべきです。
ローパフォーマーへの対応は、法的なリスクを伴う複雑な問題です。人事労務に強い弁護士に相談することで、以下のメリットが得られます。
メリット |
詳細 |
法的リスクの回避 |
弁護士は、関連法規に基づき、不当解雇などのリスクを回避するためのアドバイスを提供します。 |
適切な対応策の立案 |
状況に応じた最適な対応策を提案し、スムーズな問題解決をサポートします。 |
紛争の未然防止 |
弁護士が介入することで、トラブルの拡大や訴訟リスクを軽減できます。 |
企業イメージの保護 |
適切な対応は、企業の社会的責任を果たすことにも繋がり、企業イメージの向上に貢献します。 |
ローパフォーマーへの対応は、企業にとって非常にデリケートな問題です。対応を誤ると、不当解雇として訴訟に発展するリスクがあるため、慎重な対応が求められます。企業は、ローパフォーマーの定義や判断基準を明確に理解し、法的リスクを最小限に抑えながら、適切な対応を行う必要があります。本項では、ローパフォーマーへの対応における法的ポイントを詳しく解説します。
ローパフォーマーを解雇する場合、客観的かつ合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合に限り、解雇が有効となります。そのため、解雇理由を明確にし、証拠を揃えておくことが重要です。単に「仕事ができない」というだけでは解雇理由として不十分であり、具体的な事実やデータに基づいた評価が必要です。また、解雇に至るまでの過程において、改善の機会を提供し、十分な話し合いを行ったことを証明できる記録を残しておくことも重要です。
解雇の有効性を判断する上で重要な要素は、以下の4点です。
要素 |
内容 |
解雇理由の客観性・合理性 |
解雇理由が、企業の経営上必要とされる客観的な事実に基づいているか、また、その理由が企業の経営状況や業務内容に照らして合理的なものか。 |
解雇回避努力の有無 |
配置転換や教育訓練など、解雇以外の方法で問題解決を図る努力を尽くしたか。 |
手続きの妥当性 |
解雇予告や解雇理由の説明など、法令で定められた手続きを適切に踏んでいるか。 |
社会通念上の相当性 |
企業の規模や業種、労働者の職種や勤続年数などを考慮し、解雇が社会的に見て妥当と認められるか。 |
これらの要素を踏まえ、慎重に解雇の判断を行う必要があります。特に、解雇回避努力を怠ると、不当解雇と判断される可能性が高くなります。配置転換や教育訓練、業務内容の変更など、解雇以外の方法で問題解決を図る努力を尽くし、その記録を残しておくことが重要です。
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解雇・退職勧奨とは?従業員を辞めさせる際に注意すべきポイントや具体的な進め方について弁護士が解説!
ローパフォーマーに対しては、解雇以外にも、退職勧奨や配置転換、降格、減給といった対応方法があります。これらの対応を取る場合も、客観的かつ合理的な理由に基づき、適切な手続きを踏む必要があります。退職勧奨を行う場合は、労働者の自由意思を尊重し、退職を強要するような言動は慎むべきです。また、退職勧奨に応じないことを理由に不利益な扱いをしてはなりません。
配置転換や降格、減給についても、就業規則に定められた要件を満たし、客観的かつ合理的な理由に基づいて行う必要があります。
ローパフォーマーへの対応は、法的リスクを伴う複雑な問題です。そのため、人事労務に強い弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。弁護士は、以下のサポートを提供することができます。
弁護士に相談することで、法的リスクを最小限に抑え、適切な対応を行うことができます。問題が発生してからではなく、事前に弁護士に相談し、予防的な対策を講じることをおすすめします。
企業の人事労務においては、ローパフォーマーへの対応以外にも様々な問題が発生する可能性があります。ここでは、企業側が直面しやすい代表的な問題について解説します。
職場におけるハラスメントは、企業にとって深刻な法的リスクと reputational damage(評判の毀損)をもたらす可能性があります。ハラスメントには様々な種類がありますが、代表的なものとしては以下のものがあります。
ハラスメントへの対応としては、事実関係の調査、加害者への適切な処分、再発防止策の実施が重要です。また、ハラスメント相談窓口の設置や研修の実施など、予防的な取り組みも欠かせません。
従業員からの残業代請求は、企業にとって大きな負担となる可能性があります。適切な労働時間管理を行っていない場合、多額の残業代を支払う必要が生じるだけでなく、企業イメージの低下にもつながりかねません。
残業代請求への対応としては、まず労働時間の正確な把握が重要です。タイムカードや勤怠管理システムなどを活用し、従業員の労働時間を適切に記録する必要があります。また、違法な時間外労働がないかを確認し、必要に応じて就業規則の見直しや労働時間の適正化を図る必要があります。
残業代の計算要素 |
詳細 |
基本給 |
残業代の計算基礎となる給与 |
残業時間 |
法定労働時間を超えた労働時間 |
割増賃金率 |
法定労働時間を超えた時間帯における賃金割増率(通常25%以上) |
残業代の計算方法や未払い残業代の請求など、詳細な情報については、厚生労働省のウェブサイトなどを参照ください。
これらの問題以外にも、メンタルヘルス不調者への対応や、従業員の解雇に関する問題など、企業は様々な人事労務上の問題に直面する可能性があります。これらの問題に適切に対応するためには、日頃から法令や判例を理解し、適切な労務管理体制を構築しておくことが重要です。また、必要に応じて専門家である弁護士に相談することも有効な手段となります。
適切な弁護士法人を選ぶことは、企業にとって非常に重要です。人事労務問題は企業の根幹に関わる問題であり、専門家のサポートなしに解決することは困難です。そのため、弁護士法人選びにも慎重さが求められます。以下のポイントを参考に、自社に最適な弁護士法人を見つけましょう。
弁護士費用は、弁護士法人によって異なります。一般的には、着手金、報酬金、実費に分かれています。着手金は、事件を受任する際に支払う費用、報酬金は、事件が解決した際に支払う費用、実費は、交通費や印紙代などの費用です。不明点があればお気軽にご相談ください。
費用 |
説明 |
着手金 |
事件を受任する際に支払う費用。事件の難易度や予想される解決までの期間などによって金額が異なります。 |
報酬金 |
事件が解決した際に支払う費用。解決内容によって金額が異なります。例えば、訴訟で勝訴した場合と和解した場合では、報酬金の金額が異なる場合があります。 |
実費 |
交通費、印紙代、通信費、コピー代などの費用。事件の処理に必要な費用として実費が発生します。 |
あるIT企業で、パフォーマンスが著しく低い社員が存在。業務遂行能力が不足しているだけでなく、改善指導に対しても消極的な姿勢を示していました。社内では他の社員に悪影響が出る恐れがあり、企業側としても適切に対応する必要がありました。
パフォーマンス評価の適正性及び企業の評価プロセスや基準が公平・客観的であるかを確認しました。これに基づき、指導記録や評価基準を再整理しました。
改善指導の実施
具体的な改善目標を設定した指導計画を実施しました。これにより、社員の改善努力を文書で確認しました。
退職勧奨の提案
指導期間終了後も改善が見られないことから、弁護士が社員との交渉を代行。退職金の上乗せや円滑な退職手続きを提示しました。
社員は退職を承諾し,企業側もトラブルを最小限に抑えた形で解決することができました。
ある小売業界での事例で、会社は,ある契約社員を業務遂行能力の低下を理由に契約更新を拒否しました。当該契約社員は更新拒否に異議を唱え、会社を不当解雇で訴える構えを見せました。
契約更新拒否の正当性確認し,契約社員の業務遂行記録や過去の更新条件を精査し、更新拒否が合理的である証拠を集めました。
訴訟に発展する前に、弁護士が契約社員との間で和解を模索しました。訴訟に至った場合の敗訴リクスが否定できなかったことから退職金の追加支払いを提案しました。
当該契約社員が退職を受け入れる形で解決しました。
ある製造業の事例で,社員が故意に業務を怠慢したとして懲戒解雇したところ、当該社員が不当解雇であると訴えました。この事案は,当該社員の業務怠慢の事実や懲戒解雇の手続きの適正性が争点となりました。
業務怠慢を示す具体的な証拠(上司とのやり取り記録、業務未達の状況)を収集し,さらに、懲戒解雇手続きが適切に行われたことを法的に確認しました。
当該社員は労働審判を申し立てましたが,労働審判において、企業側の正当性を主張し、懲戒解雇の適法性を裏付ける証拠を提出しました。
少額の解決金を支払うことで,社員が解雇を受け入れる形で解決しました。
この記事では、企業の人事労務における大きな課題の一つである、ローパフォーマーへの対応について解説しました。ローパフォーマーとは、人事評価において一定基準を満たさない社員を指し、その判断は客観的な基準に基づく必要があります。具体的な事例としては、売上目標の未達や勤務態度不良などが挙げられますが、単なる能力不足ではなく、改善指導を行っても成果が見られない場合が該当します。
企業は、ローパフォーマーに対して事実確認、面談、改善指導、配置転換といったステップを踏んで対応することが重要です。安易な解雇は不当解雇となるリスクがあるため、法的観点から慎重な対応が必要です。そのため、人事労務に強い弁護士に相談することで、適切な対応方法の助言を受け、法的リスクを最小限に抑えることができます。当事務所は、事実確認のサポート、面談への同席、法的観点からのアドバイス、必要に応じての訴訟対応など、企業の状況に合わせたサポートを提供します。また、ハラスメントや残業代請求といった、企業が抱える他の人事労務問題についても対応可能です。ぜひ,お気軽にご相談ください。